創立にあたって
理事長 白濱龍興
近年、国の内外を問わず大規模自然災害や、人為災害が頻発し、更に生物・化学剤および放射性物質による災害の発生も予測され、いろいろな場面での被災者への迅速な対応が求められる時代になっております。
災害が発生しますと、直後は緊急医療支援を要する外科系疾患が大半を占めますが、次第に貿易・衛生支援を必要とする感染症などの発生の懸念、さらにPTSD等も被災初期から年余にわたりみとめられます。
私たちは、災害直後の被災者に対する医療支援のみならず、被災地の感染症対策の保健・衛生支援やPTSDに対するメンタルヘルスケアなども視野に入れた活動を行っていきます。
そしてその活動を実効あるものにするために、日常的にアジア諸地域の風土病・感染症などの衛生状況の調査・研究および種々の災害の調査・分析・研究を行い、それぞれのデータ等を蓄積し、それらの情報を多くの関係諸機関や人々に提供します。
私たちは、災害医療、保健・衛生、感染症、およびメンタルヘルスケア等に関する講習会やセミナーを開催し、あわせて講師の派遣による災害対処の組織や人材の育成を行い、災害医療の実践と普及・啓蒙に努めたいと思います。
「災害から一人でも多くの人を救うために」を合い言葉に、諸機関等と連携し、情報を共有することを基本方針とし、少しでも市民社会のお役に立ちたいと思います。
皆様からの暖かいご理解とご協力、ご支援をお願い致します。
理事 井村賀世子
阪神淡路大震災以降「災害看護」が看護全般の中で独自のジャンルとして認識されるようになり、その対象も、発災直後の救護が中心であったものが、災害への備えの段階から心のケアを含む、中長期の生活支援までをカバーするまでになってきました。
今後は一層こうした広範で多様なニーズに応えられる看護職の活躍が求められることでしょう。臨床現場や災害看護の教育・研究の場で活躍されている看護職の方々が本NPOの幅広い活動の場に参加していただければ、大変心強く思います。
設立にあたり、皆さまのご支援ご協力をお願いいたします。
監事 志方俊之
地震・津波・高潮といった「自然災害」ばかりでなく、テロや事故のような「人為災害」はいつどこで起きても不思議ではない今日この頃です。我々は、地震や台風が起こらないようにすることはできないし、人間が人間である以上、過ちや錯誤をさけることはできないから人為災害も皆無にすることはできない。しかし、我々にはそれらが起きたとき被害を 少なくする「減災」はできる。
我々の知恵と努力を集めて、それをしようではありませんか。
”2006年設立によせて”より
目的・理念
2016.03.28
”災害医療の実践と普及”
―災害から一人でも多くの人を救うために―
近年続発する大規模な自然災害および人為災害、ならびに今後発生が予想される生物・化学剤、放射性物質による災害に対して国際的な対応が求められています。日本の災害医療も飛躍的に発展していますが、迅速な被災地へのアクセス、現地のニーズに即した支援、各支援機関との連携、急性期を過ぎた被災者の心のケアなどは未だに十分ではありません。
私たちは、そのような課題を克服するために、災害地の医療や衛生に関する情報収集・分析を常時行い、被災者の心のケアを重視し、定期的なセミナー・講演会を通して活動や研究成果を社会へ発信し、ネットワークを強化していきたいと思います。
本法人は、幅広い層の会員のコミュニケーションによって、国内外の災害援助機関との連携、情報の共有化を実現し、緊急時に真に求められる災害医療・衛生支援およびメンタルヘルス面の支援を目指し、世界の人々が健康で文化的な生活のできる社会の実現に寄与することを理念といたします。
定款
貸借対照表